診断・検査について
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の診断にあたって、どのような検査をしますか?
症状経過を観察し、組織検査や血液検査から診断します。
気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎、好酸球増加、発熱、体重減少、多発単神経炎、消化管出血、紫斑、関節炎、筋肉痛など血管炎による症状と経過、好酸球浸潤を伴う細小血管の肉芽腫または壊死性血管炎などの主要組織検査から診断します。
検査所見は、末梢血中の好酸球増加、炎症反応の上昇〔CRP高値、白血球増加、赤沈亢進(せきちんこうしん)〕、血清IgE値の上昇がみられます。MPO-ANCAは約30~40%程度に認められます。
日本リウマチ学会ホームページ:
https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/egpa/
(2023年6月1日アクセス)
わが国では診断基準が示されています。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の診断には、1998年に厚生労働省が示した診断基準が用いられています。主要臨床所見としては、(1)先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎、(2)血中の好酸球の増加、(3)血管炎による症状を認めることとされています。
さらに病理組織所見として著明な好酸球の浸潤を伴う細小血管の肉芽腫性またはフィブリノイド壊死性血管炎の存在、あるいは血管外肉芽腫が存在すると確実になります。参考となる所見として、白血球増加、血小板増加、血清IgE増加、血清MPO-ANCA(p-ANCA)陽性、肺の浸潤陰影などが重要となります。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の診断基準(1998年厚生労働省)(抜粋)
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(1)主要臨床所見
- 1.気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎
- 2.好酸球増加(白血球分画の10%以上、800/μL以上)
- 3.血管炎による症状;発熱(38℃以上、2週以上)、体重減少(6ヵ月以内に6kg以上)、多発性単神経炎、消化管出血、紫斑、多発筋痛(炎)、筋肉痛(筋力低下)
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(2)臨床経過の特徴
- 主要臨床所見1、2 が先行し、3 が発症する
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(3)主要組織所見
- 1.周囲組織に著明な好酸球浸潤を伴う細小血管の肉芽腫性,またはフィブリノイド壊死性血管炎の存在
- 2.血管外肉芽腫の存在
※参考となる検査所見
- 1.白血球増加(1万/μL以上)
- 2.血小板増加(40万/μL以上)
- 3.血清IgE増加(600U/mL以上)
- 4.MPO-ANCA陽性
- 5.リウマトイド因子陽性
- 6.X線で肺浸潤陰影
難病情報センターホームページ:
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3877より一部改変
(2023年6月1日アクセス)
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