好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)について
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)とは(旧名:チャーグ・ストラウス症候群)
血液中の好酸球が増加し、血管に炎症を起こす病気で、EGPAともよばれています。
気管支喘息(きかんしぜんそく)など閉塞性気道障害(へいそくせいきどうしょうがい)やアレルギー性鼻炎〔多くは鼻茸(はなたけ)を伴う好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)〕を持っている患者さんで、白血球の一種である好酸球が異常に増加して、体のさまざまな場所の細い血管に炎症 (血管炎)を起こし、血液の流れが悪くなって種々の臓器の障害を生じる病気です。早期に炎症をとる治療を行うことで血管炎が抑えられて、症状も改善しますが、 末梢神経の障害によるしびれは長く残ることがあります。また、治療を弱めたり中止したりすると、しばしば再発しますので、慎重な観察が必要です。
EGPA症状の経緯
難病情報センターホームページ :
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3877
(2023年6月1日アクセス)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の原因はわかっていますか?
現在、原因はわかっていません。
現在、原因は不明です。 白血球の一種である好中球に対する抗体(抗好中球細胞質抗体 : MPO-ANCA)が患者の約50%にみられ、これが病因に関与している可能性が考えられていますが、やはり関連は不明です。
家族内発症をほとんど認めませんので、遺伝的要素はほとんどないと考えられます。
難病情報センターホームページ :
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(2023年6月1日アクセス)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)はどのような患者さんにみられますか?
40歳以上で、やや女性に多くみられ、
アレルギー疾患を有する人に多くみられます。
40~70歳に好発し、患者さんの平均年齢は55歳くらいです。男女比は1:1.7でやや女性に多い病気です。喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎などのアレルギー疾患を持っていて、その治療に難渋して再燃や再発を繰り返している患者さんに多く発症する傾向があります。
難病情報センターホームページ :
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3877
(2023年6月1日アクセス)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)で起こりうる症状は?
神経症状や呼吸症状など全身にさまざまな症状が起こります。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症では、血管に炎症が起きるため、その症状は全身に起こる可能性があります。発熱、体重減少、関節や筋肉の痛みといった全身症状、せきや喘息などの呼吸器症状、手足のしびれ、痛み、力が入りづらいなどの神経症状があらわれます。そのほか、点状の出血斑(紫斑)※1や腹痛があらわれることもあり、その症状は多岐にわたります。
EGPAの主な症状
全身 | ・・・・・ | 発熱、体重減少、関節や筋肉の痛み |
---|---|---|
皮ふ | ・・・・・ | 出血斑(紫斑)※1、じんましん |
神経 | ・・・・・ | 手足のしびれ、痛み、手足の動かしにくさ |
脳 | ・・・・・ | けいれん、意識障害 |
肺・気道 | ・・・・・ | 肺炎、喘息、鼻炎 |
心臓 | ・・・・・ | 心不全、心筋炎 |
消化管 | ・・・・・ | 腹痛、かいよう、出血 |
※1 紫斑(しはん):皮膚の真皮や皮下組織内の出血によってみられる紫色の斑点
日本呼吸器学会ホームページ:
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-06.htmlより一部改変
(2023年6月1日アクセス)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の臓器に対する影響は?
ほとんど(90%以上)の患者さんは、適切な治療によって軽快します。
少数(10%未満)で、脳出血・脳梗塞や心筋梗塞、腸穿孔※2、重症腎炎を生じ、麻痺や腎不全、視力低下を残すことがあります。
※2 腸穿孔(ちょうせんこう):腸に穴が開いた状態
難病情報センターホームページ :
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3877
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医療に関する判断は、患者さんの特性を考慮し、医師と患者さんとの相談の上で行うものです。EGPAについて、詳しくは医師にご相談ください。
EGPAに関する一般的な情報を提供するものであり、特定の治療法などを推奨するものではありません。